物件の下見を終えて、検討から購入に至るまでのプロセスは、非常識かもしれないくらいにスピーディでした。
この部分は、中古別荘探しの一般的な見地からは、あまり参考にならないかもしれません。
常識的には好感触を得た物件を最優先でキープしつつ、ほかの候補も横にらみしながら見極める目を養うというのが正しいと思います。
ただ今回、ここから対抗候補を見つけるのは困難でした。
Web で巡回を重ねてひとまずブックマークしていた物件はあるものの、あえて下見に行こうとまで思えるものがないのです。
山中湖の物件に比べると、築年数、価格感、仕様、間取り、写真で見る雰囲気、エリアの距離や土地勘などの観点で、どれも見劣りしてしまいます。
それほどまでに、「セカンドハウス生活のとっかかりをクイックに得る」という目的において、これなら納得して購入できると感じていたのでした。
これが「将来的な定住も意識して」とか「趣味の〇〇のために××が欲しい」とか「〇〇が望めるロケーションが希望」とか、どっしりと構えて探すべき条件があればそうするのでしょう。
その意味では、義父の軽井沢の山荘の利用を通じて、優先すべきものがいつの間にかだいぶシンプルに整理されていたのかもしれません。
メンテナンスしやすいシンプルな躯体と間取り。
断熱・気密への配慮。
水回りの新しさ。
利便性を少々犠牲にしてでも、静かな自然に囲まれた環境。
これらを満たす物件に、見ず知らずの不動産にアクセスしなくても、知人の思い入れとリアリティに触れつつ出会えたのであれば、それは大切にしていい巡り合わせなのではないかと思うのです。
物件に何のネガもないとは言いません。
これだけの見た目でいながら、今日まで引き合いも多くなく、買い手が付かなかった理由に思いを巡らせないでもありません。
使い始めてから「これは想定外だったわー」というポイントも、きっと何かあるでしょう。
でも、それも含めて学習プロセスだと思っています。
コントロールされた予算で買うものだし、終の棲家にするわけでもない。
借地権なので未来永劫、子々孫々まで縛られるものでもない。
今、この規模の買い物であれば、早く動いた分だけ早く学習・体験でき、どうしてもやり直したくなった場合により早くリセットできる。
そう考えて、下見から一週間足らずで購入の意思を固めたのでした。